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2011年05月26日

カバーの話。

2011.5.26.thu

 今日は一日雨ですね。

配達にもあまり行けない天候なので
カバーの生地を、ルーペで覗き込んでみました。


ルーペには、ミリ単位の目盛が付いていて
観察対象の大きさなどを測れるようになっています。

生地拡大写真の上部、小さい目盛がミリ単位、
大きい目盛がセンチ単位です。

今回は、当店で実際に販売されているカバーの
生地1センチ四方あたりの縦糸・横糸の数を
数えていきます。そうすることで、生地の密度を
みていきます。

ちなみに実際は、「センチ」ではなく
「1インチ」四方の経糸・横糸の合計を
「~~本打込み(うちこみ)」と呼んで
生地の目の細かさを表現しています。
「打込み」が多いほど、密度の高い生地といえます。
※1インチ=約2.54㎝です。

なお、今回の試みはあくまでも
「雨の日だからやってみた」という試みであり
「何らかの工業規格」を満たすものではありません。
できるだけ正確を期したつもりですが
間違いなどがあった場合は、あしからず
ご了承ください。

写真をクリックすると拡大されますので
お時間ある方は数えてみてください。

①まずは当店で一番安いタイプ。
綿35%・ポリエステル65%・中国製のカバー生地から。

地道に数えてみると、1センチ四方に
経糸42本、横糸30本でした。
打込みでいうと180本くらいですね。

②次に、綿100%・日本製の柄物カバーです。

経糸28本、横糸25本でした。
打込みでいうと、130本くらいです。
こちらの方が①のカバーより値段が高いんですが
打込み本数はずいぶんと差があります。
値段が高いのは、日本製だからでしょうか。

③同じく綿100%・日本製のカバーです。

こちらは経糸30本、横糸30本でした。
打ち込み本数にはそれほど差がないですね。
打込みでいうと150本くらいです。

④こちらも綿100%・日本製のカバーです。

経糸30本、横糸30本で、③と同じでした。
打込みでいうと150本くらい。

⑤最後に、綿100%・日本製のカバーです。
こちらは今までのものと違い、防縮加工しています。

経糸52本、横糸30本でした。
打込みでいうと200本くらいで
5つのうちで最も密度の高いものです。


実際のさわり心地では、良い方から順番で
⑤、③④は同格、①、②という感じ。
触りごこちは密度が高いほうが良いですが
糸の太さが均一になっている方が
触りごこちが良いように感じます。
ポリエステルよりは綿の方が良いですが
②の「目の粗さ」「糸のふぞろい加減」は
素材の差を超えています・・・。

値段は、高い方から順番で
⑤、③④同じ、②、①です。
打込みの差、生産国の差が出ています。
中国製の①が一番安いんですが
その割に生地は良い印象。


今回、生地を拡大してみて感じたのは
・「綿100%」にも色々と差がある。
→「打込み」「糸の均一さ」によってはポリエステルにも劣る
・「中国製」も悪くない。
→日本製が必ずしも良いわけではない。

デザインや「綿100%」「日本製」の表示だけで
判断するのは簡単で楽ちんですが
本当の品質を見誤ることになりそうです。
無論、日本製は基本的に丁寧な作りですから
良いものであることが多いですが。

実際に触ってみて、目を近づけてみて
品質表示だけでは伝えきれない
生地の目の粗さや糸の均一さも
意識してみてほしいと思います。  

Posted by 寝具専門 園田ふとん店 at 17:17Comments(0)2011年5月